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オーガンジーとは

オーガンジーとは


織物は古代から現代まで何千年の歴史がありますが、素材は綿、シルク、ウールのような

獣毛からつくった糸で、その織り方 撚りのかけ方 織り組織の種類など何百年か前には

ほぼ出来上がっていました.近代に入って輸出入の拡大に伴って。織物の種類 呼称が

国際表記として確立してきました。 古代中国 秦時代の遺物から発見された織物の裂

を真似て作られた生地のネーミングがクレープデシン(秦の縮緬 シナのちりめん フランス語)

その当時はシルク製でしたが 又 イタリアのビエラ 新潟のオジヤクレープ(小千谷縮緬)など

世界の織物産地由来のネーミング多々あります。 それとともに化学繊維や合成繊維の発明に

よりシルク、綿、ウールの天然繊維をレーヨン、ナイロン、ポリエステル、アクリルなどの

化合繊に置き換えて 呼称 表記はそのままに開発がなされてきました。綿ボイルが

ポリエステルボイル、 シルクタフタ(絹羽二重)がナイロンタフタ、シルクジョーゼットが

ポリエステルジョーゼットにという具合です。

本日の主題 オーガンジーとは 薄くて、透け感 ハリ コシがあってウエディングドレス

バレリーナ衣装とか ボリューム感のあるスカート ドレスにうってつけの織物を指します。

ほとんどの織物がソフト感を追求して作るのに 硬さハリコシを伴うのは唯一オーガンジーだけ

ということでニッチでも必要欠くべからずの生地です。歴史的に分類すると 古来薄い生地は

シルク 中肉地は綿 厚地はウールや他の獣毛で作られた物ですが、オーガンジーは元は綿でした。

極細の棉糸を、透けて見えるほどできるだけ密度を粗く織ったものです。一説には蝉の羽を模して

作られたとも言われます。古代インドのマハラジャの前で棉オーガンジーのサリーを着用した

踊り子の妖艶な姿が妄想をかりたてます。こんなロマンを感じさせる語感からオーガンジーは

高級な織物というイメージが定着したとおもわれます。その後昭和30年代末に桐生産地で

シルクオーガンジーが開発されました。 絹糸は物性的にすばらしく優れた糸で中心のフィブロイン

とよぶ繊維をセリシンという物質が包み込む芯鞘構造になっていて、このセリシンという物質は

繊維を包み込む最高の糊剤の役目をしています。 通常のあらゆる絹織物は生地を織り上げた

あと石鹸で煮沸して硬いセリシンを溶かすことであのシルク独特の柔らかさ 軋み感を出して

いますが このセリシンを溶かす精練工程を省き セリシンが糸を包み込んだ状態 つまり生糸

のまま糸染めをして経て ヨコに比較的粗い密度で織ります。 そして織り上がった後も精練せず

湯のしで仕上げます。セリシンがそのまま残ることでハリ感 とコシが発現して棉オーガンジー

より一段と繊細で透け感の強い、美しいオーガンジーとなりました。

桐生から北陸産地へと生産が広がり爆発的なヒット作としてアメリカ輸出へ膨大な量が生産、販売

されました。ブームが終焉したあと 化繊 合繊が誕生してベンベルグオーガンジー、ポリエステル

オーガンジーなどが作られます。 しかし化合繊糸は絹糸のようなセリシンという 理想的な糊財を

持たずハリが無いので 糸染めをした後に熱硬化樹脂を糸に付与してから織って、硬さハリコシを

再現しています。生糸より合繊糸は割安ですが 生産工程が複雑で多少のコストダウンがあっても

シルクオーガンジーに匹敵するほどの力はありませんでした。その後ナイロン糸, ポリエステル糸

の開発 品質向上が数年かけて劇的に進み分繊糸が登場します。 1本の糸は12本、24本、~

何百本ものフィラメントで構成されていますが、これはマルチフィラメント糸とよびます。 これを1本

づつのフィラメントに分ける 分繊加工した1本のフィラメントで1本の糸にする これをモノフィラメント

と呼びます。 織物でなく編物の世界ですが仮撚りという 熱処理しながら撚りをかける加工を経た糸

(マルチフィラメント糸)を分繊してモノフィラメントとした糸でパンティストッキングを編むと薄くて,伝線

しにくいものができ 世界中に広がりました。 表面がツルツルした滑りやすいモノフィラメントを仮撚

工程を経ることで糸に微細なデコボコができて これが糸どうしの摩擦が増えて滑りにくくなり伝線

しにくいという理屈なのです。昭和50年代に金沢の商社の技術者がこれに目をつけ パンスト用の

糸で織ってみたところ狙い通りのポリエステルオーガンジーが 誕生しました。 その当時のパンスト

の糸 20デニール モノフィラメント使用がデフォルトでした。 うすくて適度なハリにより体にまとわり

つかない軽さと比較的安価で 全世界のブライダル用途 子供服を含むパーティドレス ヨーロッパ

の高級レースの下地 スペイン語圏の民族衣装 フィリピンの正装バロンタガログの廉価版用途など

世界の需要にこたえる定番生地として、生産拡大していきます。 金沢発の石川産地の独自商品が

北陸へ広がり 昭和末期から平成初期にかけて韓国、台湾、中国 トルコ インドまで生産される織物

の品種となりました。 日本産の定番のスペックが国際標準となり 外国産が増えると価格はさらに

安くなります。 すると日本人はご多聞にもれず新製品を打ち出して差別化対策をしていきます。

ポリエステル分繊糸を高度化して 15デニールから15~7デニールと糸を差別化してオーガンジー

の新商品をうちだしていきました。15デニールのものは糸の断面が三角で強ブライト糸で 先染め

の前後工程が難しく20年以上競合メーカーは無く 価格も定番品より倍以上しており1社単独生産かと

思っていたら、トルコ産の色までまったく同じシャンブレーオーガンジーをみつけました。 織物は特許

や意匠権で守られない世界なので糸原料と機械さえあればどこでも作れます。7デニール使用のもの

は重量を感じないほど軽く透明で 天女の羽衣という商品名で石川のあるメーカーからパリコレへ販売

されています。ここまでくると 透明感 薄さの競争かいと思うほど ハリコシはいったいどこに....と思うほど

バリエーションか゛増えています。 メーカーによって グラスオーガンジーとか マイクロオーガンジー

と多彩なネーミングをつけていますが やはりみんなオーガンジーという語感に高級感とロマンを

感じもって 薄手 透け感のあるものすべて オーガンジーと称したいのだとおもいます。

昭和から平成にかけて 石川県の私の先輩達がポリエステルオーガンジーを、開発して マイナー商品

からグローバルスタンダードに育て上げる過程で 当社が役割を果たせたこと 新しい独自のオーガンジー

開発成功したこと 又触発された他社メーカーが更に新しいものにチャレンジされていること 同時代に

織物メーカーとして生きられたことが、ほんとに嬉しく思います。




 

2018-01-25 13:33:38

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